音楽

僕がソニック・ユース(Sonic Youth)から知った最高のアーティスト達


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています

ソニック・ユース(Sonic Youth)というバンドをご存知でしょうか。僕が人生で一番影響を受けたバンドと言っても過言ではありません。まず簡単な紹介を。

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ソニック・ユースって?

ソニック・ユースは1981年ニューヨークで結成されました。

メンバー構成

  • サーストン・ムーア (Thurston Moore – guitar, vocals)
  • キム・ゴードン (Kim Gordon – bass, guitar, vocals)
  • リー・ラナルド (Lee Ranaldo – guitar, vocals)
  • スティーヴ・シェリー (Steve Shelley -drums)

の4人で、たまにサポートメンバー(一時期はあのジムオルーク(Jim O’Rourke)もいました)が入ったりします。

サウンドの特徴

そのサウンドを一言で表すなら「インテリジェンスインディノイズパンクノーウェイブサウンド」って感じでしょうか(笑)。でも本当にそんな感じなんです。既成概念を覆すサウンドデザインなんだけど、どこかポップなんですよね。

アート オブ ノイズ

今でこそ「ノイズ」をアートの文脈で語るのは当たり前になっていますが、そういうことを30年以上前に既にやっていた人達なんです。80年代以降のアメリカのインディシーンにおいて、彼らの影響を受けていないバンドっていないんじゃないでしょうか。ニルヴァーナ然りです。今回はこのソニック・ユースとアートの関係性を書いていこうと思っています。

 キム・ゴードン (Kim Gordon – bass, guitar, vocals)

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Thanks to#leconsortiumdijon #romaneeconti #ridndygraham@303gallery @negativementalattitude #exhibition

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彼らのアート性は多岐に渡っていて、色んな分野のアーティストと交流が深いんですが、どうもこのキム・ゴードンが一番の目利きじゃなかと思っています。キム・ゴートンはカリフォルニア大学ロサンゼルス校でアートを専攻していた完全アート系の人です。本人の自伝では大学がつまらな過ぎて辟易していたとありましたけど(笑)。ファッションブランド「x-girl」の創始者(デザイナー)としても知られています。
こちらはキム・ゴードンの自伝になります。

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あとでサーストンのことも書きますが、彼女もけっこうコラボ(というか別のメンバとーと一緒にバンド活動してたり)がそこそこ多いかも。有名どころだと、Boredoms(ボアダムス)のYOSHIMIとFree Kitten(フリーキートゥン)というバンドやってますね。 

 

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 サーストン・ムーア (Thurston Moore – guitar, vocals)

 

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This concert the final throwdown of our European run!! Open sky music, electronics and punk love. With WOBBLY + BIG JOANIE.

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ギターVoのサーストンはいかれたレコードオタク、収集家です。海外ツアーに行った先で彼がまず何をするかというと、現地のレコ屋巡りです(笑)。この人は、色んなミュージシャンとコラボするするのが大好きなようで。コラボするアーティストはことごとくアバント系。フリージャズ系アーティンストだったり、ジャパノイズの帝王Merzbow(メルツバウ=秋田昌美)だったり。

サーストンはインテリジェンスな雰囲気を醸し出しています。実際にインテリなんだけど、この人も音だけではなく、ビジュアルのセンスが凄いです。使ってるギター(主にフェンダージャズマスター)はどれもこれも改造していて、そのビジュアルはどれもかっこいいですね。僕は今まで3回程彼らのライブを見てますが、ギターそのものの存在感にも唸りました。

 リー・ラナルド (Lee Ranaldo – guitar, vocals)


そして、忘れてはならないのが、もう一人のギター、リーです。彼は、いわゆる本物のインテリです。名門と名高いニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業しています。インテリと「ノイズ」は関係あるのかないのかわかりませんが、彼が実はバンドの中で一番のノイズキチガイなんです。ルーリードの悪名名高いアルバム「メタルマシンミュージック」(全面ギターノイズのみのアルバム)を愛し、隅々までそのサウンドを記憶?しているらしいのです。

こんな逸話があります。

この全面ノイズで構成されているアルバムに適当にレコードの針を落とした瞬間、リーは「○分〇秒あたりのあの音だね」とかってわかっちゃうらしいです(笑)。僕もこの「メタルマシーンミュージック」をレコードで持ってますが、ありえません。凄すぎるわ。どんな耳をしてるんだ!

 スティーヴ・シェリー (Steve Shelley -drums)

 

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“Pass the sergeant pepper”

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ドラムのスティーヴの詳細は割愛しますが、この人はビートルズにおけるリンゴスターのようなドラムを叩きます。主張しない、上手くとも下手でもない、目立たないけど、やはりこの人じゃないとソニックユースサウンドにはなりません。いやあすごいメンツですね。個性がすごい。

サーストンとキムは結婚して、Cocoちゃんという可愛い娘もいます。長年この業界のオシドリ夫婦と呼ばれてきました。
↓ 大きくなったCoCoちゃん

 

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Love this sweet pic@cocogm #PSWL @clarazara

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画家、写真家、映像作家、作家などあらゆるクリエイターとのコラボレーション

さてここからが本題です。

ソニック・ユースは実はサーストンの浮気が原因(笑)で、2011年に解散しています。この時はそれはもう大ショックでした。しかしながら彼らも30年のキャリアです。一つのアバンギャルドなバンドをこれだけの長期間続けたことでも凄いことですよね。この30年キャリアで彼らは16枚のアルバムをリリースしています。
※別軸のノイズアルバムや、映画のサントラなどは含んでいません

どれもこれもアートワークがかっこいいのですが、毎回違うアーティストとコラボレーションしています。しかも彼らの目利きは凄くて、共同制作者として依頼するこのアーティスト達がことごとくハイセンス。中にはソニックユースとの仕事でブレイクしたアーティストもいます。

ここからはこの16枚のアルバムから特にアート性の高い特筆すべきアルバムを何枚かピックしてご紹介したいと思います。

シスター – Sister(1987年)

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まず最初の作品は、インディ4thアルバムである「シスター」。僕がソニック・ユースのインディ時代で一番好きな作品です。ジャケットもコラージュ感満載でかっこいい。オリジナルのジャケットでは、アメリカの写真家リチャード・アヴェドン(1923.5月5日 – 2004年10月)の写真が使われていました。アヴェドンは、奇形のアウトサイダーに強く惹きつけられその写真を執拗に撮り続けたダイアン・アーバス(1923年3月14日 – 1971年7月26日自殺)の作品に似ていると僕は思っています。そんなアヴェドンの写真を無断で使用していたため、その部分を黒塗りしリワークしたしたらしいです。うーむ、、もったいない。それでも僕的にはすごくハイセンスなコラージュ感。レコードで持っているので、今でもよく手にとって眺めることが多いです。

デイドリーム・ネイション – Daydream Nation(1988年)

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インディ5thアルバムである「デイドリーム・ネイション」。このジャケットはドイツの画家ゲルハルト・リヒター(1932─)の作品です。彼は「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれています。このドローイングはミニマルで神秘的なもの(確か初期の作品)ですが、リヒターの作品は抽象イメージを表現したものが多いです。彼の作品が大好きで画集も持っています。リヒターの真骨頂であるアブストラクトペインティング満載です。
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リヒターは写真も撮ります。というか写真もドローイングも区別していません。この写真集も好きで持ってるのですが、これは彼が着想を得るために撮りためた膨大な写真群なんです。ここから彼の見ている世界が垣間見える。彼はすごく哲学的で難解なことばかり言ってる人ですが、出てくる作品は素晴らしい。僕は仕事で心身疲れている時や、着想を得たいような時、画集や写真集を一日中眺めています。抽象的なドローイングはイメージの世界と直結するので、音楽を聴いているのと同じ効果があると個人的に思っています。

意外だったのですが、作家の平野啓一郎もリヒターがお気に入りだそうで。
このリヒターをソニック・ユースは約30年前に見つけていたのですから、彼らの審美眼の凄さがわかります。

GOO(1990年)メジャーのゲフィン移籍第一弾


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています
このイラストは、 レイモンド・ペティボーン(1957─)の作品です。+special guest NIRVANAって書いてますね。いいなあ。観たかったなあ。

 

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Paid another visit to my friends Rocio and Max at their Dirty Boots shop in San Telmo. @dirtyboots.calzados

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この「GOO」のジャケット、見たことある人多いのではないでしょうか。街中でも結構Tシャツ着ている人を見かけますね。
レイモンド・ペティボーンはカリフォルニア在住の美術家です。テレビや漫画のキャラクター、バイオレンス=アメリカの大衆文化的なイメージと、膨大な読書を通じての幅広い文学的世界から引用されたテキストを自由に組み合わせ、独特のドローイングを描きつづけています。(引用)

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彼の作品は、一番有名どころだと、「ブラックフラッグ」などUSパンクシーンのアーティストのジャケットに多く採用されています。このジャケットも見たことある方多いのではないでしょうか。採用というか、依頼が後を絶たないという感じでしょうか。風刺的な画風でいかにもアメリカ的。
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画集、もちろん出てます。これぞレイモンド!という画集。これはいいですよ。装飾も凝っています。僕ももちろん持っています。

ダーティ – Dirty(1992年)

さて、次は僕的には大本命のジャケットワークです。メジャーの2ndです。僕が高校生の時に出会い、音楽感を一変させられた作品の一つです。この頃のソニック・ユースはニルヴァーナに代表されるシアトルのグランジシーンの影響を多いに受けていた時期で、サウンドエンジニアにも当時売れっ子であったブッチ・ヴィグ(ニルヴァーナのNever Mindを担当した人)を採用しています。なのでサウンドのレンジが広いというか、全作品の中で一番ダイナミズムがあると自分的には感じています。この作品は、これまた西海岸出身の現代美術家、マイク・ケリー(1954年10月27日 – 2012年1月31日)の作品です。彼の作品は、ドローイング、コラージュ、モニュメント、ビデオ・アート、パフォーマンスなど多岐に渡ります。


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています

僕はマイク・ケリーの大ファンで、もちろんソニック・ユースのこの「ダーティ」から知ったのですが、この一見可愛い人形が醸し出す何だか不穏な雰囲気。死の匂いみたいなものに魅了されました。数年前、中目黒のIMA RECORDS MERCH STOREで開催された、ソニック・ユースのポスター展↓


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で購入したポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています

彼の作品(上の写真)を買いました。ポスター原画です。レコードジャケットサイズなのですが、結構値段しました。。うーん。かっこいい。

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マイク・ケリーの心の闇

彼の死の匂いがする作品からなんとなく想像できますが、彼は心を病んでいました。←これは僕の勝手な見解です。僕はマイクの心の闇に惹き付けられているのだと思います。彼は2012年に自殺しこの世を去りました。すごく残念で悲しいですが、人の心奥まで突き刺してくるような表現をするアーティストが自殺を選ぶことが多いのは確かです。日本で開催された彼の展示会に行けなかったのは、ホント後悔先に立たずです。僕がずっと持っているのはこの画集です。


追記)新画集出ました!早速GETです。素晴らしいですよ。
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エクスペリメンタル・ジェット・セット、トラッシュ・アンド・ノー・スター – Experimental Jet Set, Trash & No Star(1994年)


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています

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実はこのアルバムが僕がソニック・ユースで一番好きなアルバムです。メジャーの3rdですね。ジャケットワークはリー・ラナルドがお気に入りのTalking Heads(トーキンヘッズ)の1980年リリースのアルバム「Remain In Light(リメイン・イン・ライト)」をパロッたものだとのこと。このジャケも見たことある方多いのではないでしょうか。
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ウォッシング・マシーン – Washing Machine(1995年)

お次は、これまた西海岸(カリフォルニア)の映画監督、グラフィックデザイナー、マイク・ミルズ(1966ー)のご紹介です。彼は映画監督でもありますが、本業はグラフィックデザイナー、写真家です。というか表現手法をカテゴライズしても仕方がありませんね。とにかく多才な方です。ソニック・ユースのこのアルバムではアートデザインを手掛けています。メジャー4thアルバムです。


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています

映画界では大御所監督ってわけではないのですが、彼の作品で一番有名なのは、トレインスポッティングの主演であるユアン・マクレガーを起用した「人生はビギナーズ」でしょうか。個人的には「マイク・ミルズのうつのはなし」が好きです。


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で購入したポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています

さて、この「ウォッシング・マシーン」ですが、これまた先程書きましたポスター展で原画ポスターを買ってしまいました。。こっちの方が高かったです。大型でしたので。それが上の写真です。何気ない日常の風景を切り取った穏やかな写真が並んでいます。静謐な美を感じます。映画監督ならではの表現だと思います。ちなみに上でキム・ゴードンのことを書いてますが、ファッションブランドx-girlのロゴや、トレードマークである女性のイラストデザイン(立ち上げ段階=初期)はこの人が手がけています。

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僕の持っているのはこれ。彼のグラフィックアート本。すごく綺麗な本です。
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ア・サウザンド・リーヴズ – A Thousand Leaves(1998年)


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています
メジャー6thアルバム。アートワークは、アメリカの写真家マーク・ボスウィック(Mark Borthwick)が手掛けています。マーク・ボスウィックは映像作家であり、音楽家でもあり、詩も書きます。彼の写真の特徴は光です。アメリカの日常の風景、都会ではなく海辺とか草原とか、誰かの部屋だったり、なんというか人がほっと落ち着く場所、優しさとか反戦とか、平和とか、子供の無垢さ、ティーンエイジの甘酸っぱさとか、うまく言えないんですけどそういった心象風景に美しい光を混ぜて表現している作品が多いです。彼の写真集は市場で希少価値が高く、価格が高騰しています。すごいですね。いまみたら、な、なんと17万ですって。すげー。僕はたまたま超ラッキーでヤフオクで1万でゲットできたんですが、、。なんかすみません(笑)。この写真集の中にキム・ゴードンの写真もありましまたね、

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マーク・ボスウィック(Mark Borthwick)についても、いつか書いてみたいと思います。
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NYC ゴースツ&フラワーズ – NYC Ghosts & Flowers NYC(2000年)

 

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メジャー7thアルバムです。William Burroughs(ウィリアム・バロウズ)ってみなさまご存知でしょうか。1950年代のビート世代の人で、文節や言葉をズタズタに解体して入れ替える=カットアップ、コラージュっていうのかな、そんな文学作品を出していた文化人&ジャンキーで最後は間違って自分の奥さんまで銃殺してしまった完全ぶっ飛び系のお人です。この人のことも記事にすれば大作になること必至ですが、、そのバロウズのドローイングが採用されています。バロウズが絵を描いていたなんて僕も知りませんでした。うーむ。すごいとこ攻めてくるなしかし。

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アートワークがバロウズってことで、アルバムタイトルや詩もビート世代のアレン・ギンズバーグの影響を受けているとのこと。
2001年に起きたテロ(911)の前年にリリースされた作品。何かそれを予見していたような内省的なアルバムです。NYCゴースツですから。このアルバムのジャパンツアーに行ったのですが、ステージの背面にニューヨークを中心としたイメージ映像がずっと流れていて、最後はこの映像と共に幻想的なノイズが爆音で長時間かき鳴らされて終わると言う、もう、恐ろしく美しいライブだったことを覚えています。

ソニック・ナース – Sonic Nurse(2004年)

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メジャー9thアルバム。このジャケットは、アメリカの画家リチャード・プリンス(1949ー)の作品です。美術評論家である椹木野衣が1991年に「シミュレーショニズム (ちくま学芸文庫)」(シミュレーショニズム―ハウス・ミュージックと盗用芸術)という本(僕も感銘を受けた本)を出し、この「シミュレーショニズム」という言葉が日本でも流布しましたが、このリチャード・プリンスはまさしくシミュレーショニズム≒サンプリング≒コラージュの作家です。彼の作品は本当にかっこいい。めちゃくちゃ好きです。このリチャード・プリンスが2003年に発表した「Nurse paintings」という作品にソニック・ユースが感銘を受け、アートワークを依頼したようです。この画集、僕も欲しくてたまらないのですが、な、なんと、、現在市場価格が約20万です。。とほほ。今回ご紹介したアーティストの中で一番好きな画家です。はい。

アルバムの方ですが、ジム・オルークが最後に参加した作品でもあり、個人的にはソニック・ユース後期の作品では一番だと思っています。

ホワイティ・アルバム – Whitey Album(1988年)《Ciccone Youth》

 

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Happy 60 to an inspiration. @madonna #cicconeyouth

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そして、最後にわすれてはいけないが、このアートワークです。ソニック・ユースの変名ユニット「チコーネ・ユース(Ciccone Youth)」が1988年に出したアルバムです。ノイズありラップあり無音ありな実験精神あふれるやりたい放題なアルバム。上でもご紹介しています同年リリースの「Daydream Nation」の裏でこんな事やってるこの人たちって。。(笑)だってマドンナとかロバート・パーマーのカバーやっているんですから。どんなカバーやねんと。なんと、ダイナソーJrのJ・マスシスも参加してます。必要なの?J?(笑)
そして、サウンドの方は、ソニック・ユースでは珍しいリズムマシンとかサンプラーが多様されています。ラジカセで音を鳴らしているようなスカスカのLO-FIサウンドをベースとして、「マイケルジャクソンがどうだ」とかっていうラップ(キム・ゴードンの浮遊感あふれるあの声で)がはいったり、ノイズ、ドローン、サイケの要素をやけくそにした感じで、すごくいかしたアルバムなんですよね。
そして肝心のジャケットワークなんですが、実はこのモノクロの深遠な表情をしているセクシーな女性のアップ、な、な、なななんと、、、あのMadonna(マドンナ)なんです(笑)。えーーーー!。ここまでのくだりでなんとなく予想できました?なんでもMadonnaに代表される80年代POPSに敬意を評したオマージュだとか。おちょくってるのか何なのかも完全に謎なんですが。。そもそも揉めなかったの??って思います普通に。そして、極めつけはこの「Ciccone」というのはMadonnaの本名ですって(笑)。
背景は別として、今回の記事はソニック・ユースとアートの関係性です。その観点から言えば、このジャケットはかなりインパクトのある秀逸なものだと思います。誰がデザインしたかまではわかりませんでしたが。僕はこのジャケットをすごく気に入っていてレコードを思わずリビングに飾っていますが(家族からは嫌がられていますw)、是非手元に置いておきたい逸品です。

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まとめ

さて、今回は思い入れが強すぎて、大作になってしまいました。ソニック・ユースはアルバムワークだけではなく、フライヤー、ポスターもセンス抜群です。

ライブのフライヤーとか


※この写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています
「WITH PUNK SUPERSTARS MUDHONEY AND PAVEMENT」ってとこがいいですね。
PAVEMENTは今でもよく聞きます。ちなみに記事にもしてます→「ここらで「ダサかっこいい」音楽について考えてみようじゃないか




※上記3枚の写真はIMA RECORDS MERCH STOREで開催された「ソニック・ユースポスター展」で展示されていたポスターです。店の許可を得て撮影掲載しています
これを機会に、ソニック・ユースの音楽や今回ご紹介したアーティストを好きになってくれる方が増えればとても嬉しいです。それではみさなま良いミュジーックアートライフを。

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