このボロボロのコート。
僕が約10年間着続けてきた「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」のゴム引きステンカラーコートです。今のモデル名でいうと「DUNOON ダヌーン」です。
マッキントッシュといえばゴム引きのコートですよね。
僕も長年の憧れから10年前に衝動買いしてしまいました。当時の値段で8万5千円くらいだったと記憶しています。
コートでこの値段を出すのは相当勇気が要りましたが、試着をしてみて鏡に映った自分のシルエットを見て即決でした。とにかく細身で一気にスタイリッシュに見せてくれる。スーツでも私服でもいけるように、当時の限定カラーであったこのカーキ色を選びました。
「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」ゴム引きコートの着心地
僕はこのコートを私服として着ることはほぼありませんでした。僕の仕事は基本私服なのですが、当時はお客様先に行っていたので、毎日スーツ着用でした。その上にこのコートを着て出勤していましたね。
ゴム引きステンカラーコートの質感は、その名のとおりゴム素材が入っているのでパリッとしています。生地は薄手ですが、風も通さない!と銘打っていることもあり、薄手だけど、硬くてしっかりしています。
着心地としては、非常に細身でタイトなサイズ感なので、お世辞にもキモチィ―とは言えませんが、気持ちがシャキっとしますね。
タイトなシャツ、ドットのネクタイ、細身のスーツにイギリス製の革靴を履いてマッキントッシュのコートを着る、という一番嫌味な恰好(笑)をしていた当時の僕にはマッキントッシュはテンションがあがる一つのアイテムでした。
マッキントッシュ・ゴム引きコートの生地の匂い
マッキントッシュのゴム引きコートでよく言われるのが、生地の匂いです。
どの位ゴムの匂いがするの?それとも全くしないの?とか。
結果から言いますと、結構ゴムの匂いはします。最初は慣れないのですが、毎日着ていると慣れてきて全く気にならなくなります。更に行くと、このゴムの匂いが癖になるというか、この匂いを嗅がないと仕事モードに入れないようになりました(笑)。
バブアー(Barbour)のオイルドジャケットも名作品ですが、あそこまでの匂いはもちろんしません。バブアーもそうですが、マッキントッシュ独特の匂いというのも良いものですよ。
マッキントッシュのゴム引きコートは暖かい?寒い?
さてこれも気になるところですよね。特にマッキントッシュのゴム引きコートは薄手です。
これまた結果から言いますと、決して暖かくはないです(寒いという意味ではなく)。
ただし、防風性はかなり優れていると思います。秋であれば全く寒さを感じないレベル。日によっては汗が出てきます。冬になるとさすがに寒く感じてしまうので、マフラーは必須ですね。更に下にセーターを着れば問題ないです。
というわけで何だかんだ僕は、コートが必要になるシーズンは全てこのマッキントッシュのゴム引きコートで貫いていました。ウールのコートやダウンコートにも浮気をしませんでした(笑)。
とにかくマッキントッシュを着ることに喜びを感じていたんです。
マッキントッシュ・ゴム引きコートの耐久性
僕はどれだけ高価なものでも、使ってなんぼと思っているので、乱暴とまではいかないですが結構扱いが雑かもしれません。丁寧にメンテするとかも基本しません(笑)。
今となってはもっと大事にすればよかったなと少し後悔はしていますが、きっとまた購入したとしても同じことをするでしょう。
僕はショルダーバックを好んで使っています。なで肩なので、トートバックでは肩からバックが落ちてくるという理由からなんですが。
マッキントッシュの上からショルダーバックを斜め掛けにして通勤するのがスタイルでした。これも生地を傷めていくので本当は良くないんですよね。
写真の肩の部分を見て頂ければわかると思うんですが、まず皺がついてきて、ついに破けてしまいました。
まあ10年も毎日ガンガンに使っていれば、こうなっていくのも仕方ないとは思います。次第に汚れも目立つようになりました。マッキントッシュは生地のこともあるので洗濯できません。
僕の酷使ぶりを考えると(10年間他のコートは着ることはなく、マッキントッシュ1本)、かなり耐久性が高いと言っていいと思います。普通のコートなら、2、3年でボロがでてくるのではないでしょうか。
マッキントッシュ(MACKINTOSH)のメンテナンス、修理
マッキントッシュのコートは、クリーニングに出せません。
おっと。それは語弊があるかもしれませんが、普通のクリーニング屋に出すとTheEndらしいのです。
マッキントッシュの生地を壊してしまう。今のところ日本で唯一公認されているメンテナンスショップが、「ラヴァレックス(Lavarex)」という宮城県にあるお店です。
僕はセレクトショップ(EDIFICE)でコートを購入しましたが、購入時にも店員さんからメンテナンスはこのお店に出してくださいと言われました。
ちなみに僕もこのお店にメンテナンスをお願いするためコートを送りましたが、「状態が悪くなりすぎているので修理ができません」と言われてしまいました。時既に遅しだったんですね。
またマッキントッシュ熱が再燃してきた
コートがボロボロになってしまってからは、私服で古着スタイルで着ることはあっても、スーツに合わせて着ることが出来なくなりました。
今はラベンハム(LAVENHAM)で乗り切っているのですが、やはり僕はコートといえばマッキントッシュしかないと思っているので、ここ最近本気で再購入を考えるようになってきました。
マッキントッシュの値段は10年前の2倍!?
調査をしてみるとやけに値段が上がっています。
え??18万??
僕が買ったときは確か8万5千円だったので、2倍強になってます。。(泣)
僕が狙っているのはやはり同じゴム引きコートです。モデル名でいえば、やっぱり「DUNOON ダヌーン」。でも、フードが付いてる「CHRYSTON クリストン」も捨てがたい(笑)。このフーデッドコートは昔はなかったはず。
だけど、どんなブランドも名作は価格が上がっていくもの。良いものは仕方ないなと僕なんかは思ってたりします。20万弱でも職人さんの日々のご苦労を考えれば安いもんです。って、でもでもお財布がねー。
マッキントッシュのブランド展開
マッキントッシュは下位ブランドも含め、4つのブランドがあります。
ここ、マッキントッシュを少しわかりにくくしている点です。
ちょっと整理しておきましょう。
MACKINTOSH
いわゆる本家のMACKINTOSHブランドです。
本店はロンドン。
世界中に店がありますが、日本では、青山と銀座SIXの2店舗のみです。
MACKINTOSH LONDON
MACKINTOSH LONDONは、MACKINTOSHの往年のアーカイブ(伝統のあるモデル)を受け継ぎ、守り続けているブランドです。
本家MACKINTOSHとMACKINTOSH LONDONの違いはあとで説明します。
MACKINTOSH PHILOSOPHY
MACKINTOSH PHILOSOPHYは、MACKINTOSHが醸し出すムード=スタイリッシュ感や、仕様(サイズ感など)を受け継ぎながら、安価な生地の採用、縫製のコストを抑えることで、低価格を実現しています。
ゴム引きコートの取り扱いは残念ながらありません。
Traditional Weatherwear
Traditional Weatherwearは「普段使い、カジュアルライン」とコンセプトが違います。
いわゆるステンカラーコートはありません。キルティングコートは有名ですね。
値段も本家に比べると低価格です。
MACKINTOSHとMACKINTOSH LONDONで何が違うのか?
MACKINTOSHとMACKINTOSH LONDONの違い、ホントわかりにくいですよね。
僕もずっと疑問だったので、MACKINTOSH LONDONを展開している三陽商会に問い合わせしました。
結果、なるほど!というお答えをいただいて、すっきりしましたので書いておきますね。
端的に言ってしまうと、MACKINTOSH LONDONはMACKINTOSHのクラシックモデルを扱うブランドで、現在のMACKINTOSHは、現代的な尖がったモデルを展開するブランドってわけです。
いやあこれを書いててもまだややこしい。
MACKINTOSH LONDONは、Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)のようにクラシックを追求するブランドで、本家MACKINTOSHはいまのモデル展開をみればわかりますが、尖がったアバンギャルド性を追求するブランドといってもよいかもしれません。
続いてはそれぞれの特徴をみていきますね。
MACKINTOSH
クラシックモデル | 後継モデル | メモ |
DUNKELD ダンケルド | DUNCAN ダンカン | ミニマムなステンカラーコート。マッキントッシュの原型。後継モデルは現代の流行に合わせ、洗練されたシルエットに。 |
CHRYSTON クリストン | CULLEN カレン | フーデットモデル。 |
MACKINTOSHはクラシックモデルはもう出していません。後継モデル(派生モデル)だけの展開になります。
な、なんと、カラー展開もレッドやイエローまであるんです。
もうアバンギャルドまっしぐら!確かにかっこいい。
MACKINTOSH LONDON
クラシックモデル | 後継モデル | メモ |
DUNKELD ダンケルド | – | ミニマムなステンカラーコート。マッキントッシュの原型。 |
DUNOON ダヌーン | – | ダンケルドの着丈を短くしたモデルで、ハーフコートに近いバランス。 |
CHRYSTON クリストン | – | フーデットモデル。 |
この表を見ておわかりだと思いますが、MACKINTOSH LONDONはクラシックモデルしか扱いません。1823年からはじまったMACKINTOSHの歴史を今に受け継ぐブランドです。
シルエットも完全に往年のMACKINTOSHと同じです。Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)と同じで、クラシックスタイリッシュ。Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)の白いオックスフォードシャツと同じですね。
流行に左右されない奥深さがあるんです。憧れですホント。
二つのブランドの共通点
この二つのブランド。二つと言っても、同じMACKINTOSHです。両ブランドとも同じグラスゴーの工場で作られています。
今でもゴム引きコートができた19世紀から変わらない製法でハンドメイドで作られています。
ラインナップについては下でご紹介しています。
マッキントッシュ・ゴム引きコートのサイズ感
マッキントッシュのサイズ感を。
参考程度ですが、僕は身長170㎝で「36」でジャストでした。ちなみに僕は肩幅はあまりなく、なで肩気味、そして少し太ってます(65㎏位)泣。
僕と同じ位の身長の方でも「38」でも有りだと思います。
特に肩幅とか胸周り、あとはお腹周りも確認された方がいいです。僕が購入したのはもう10年前なので、サイズ感も変わっているかもしれません。詳細のサイズ感は公式サイト(SANYO iStore)を参考にされてください。
マッキントッシュゴム引きコートのラインナップ
上で表にしましたが、MACKINTOSH LONDONのラインナップをご紹介します。
DUNOON ダヌーン
下の「DUNKELD ダンケルド」との違いは、着丈が10cm短いところ。この着丈により、フォーマルはもちろんですが、ハーフコートに近いバランスで、よりカジュアルなコーディネートがしやすいです。
仕事でもプライベートでも着れるハイブリットですね。カジュアルスタイルだとデニムに合わせて着ると、かなりかっこいいと思います。
【詳細】⇒DUNOON ダヌーン
DUNKELD ダンケルド
「DUNKELD ダンケルド」はブランドを代表するコート。ステンカラーコートの代名詞です。
特徴は、裾へとむかってわずかにフレアするAラインシルエットと無駄を削ぎ落としたデザイン。程よいゆとりがあるので、ジャケットの上からでも羽織りやすく、ビジネスからカジュアルまで幅広く使える、英国らしいコートです。
これぞマッキントッシュ、正統派!大人のコートですね。フォーマルなサイズ感です。大人のコートです。かっこいい。
【詳細】⇒DUNKELD ダンケルド
CHRYSTON クリストン
いやあ、かっこいいですね。フーデッドコート。
3つのラインナップのなかでは一番高価なモデルです。おそらくフード部分の縫製に高度な技術が必要からでしょうか。僕はこういうフォーマルとプチカジュアルをミックスしたスタイルが大好きなんです。
「DUNKELD ダンケルド」と同じAラインシルエットにフードを装着したモデルです。
【詳細】⇒CHRYSTON クリストン
まとめ
さて、マッキントッシュ、いかがでしたでしょうか。
ブランドで思想が違うこともわかりました。僕は洋服にしてもバックにしても、靴にしても、オーディオにしても、楽器にしてもetc、とにかく定番が好きなんですね。なんでしょうね。長い歴史をもった定番はやっぱり美しいですし、飽きがこない。これは何にでも言えます。
今年もコートの季節。僕も昨年から引き継ぎ、マッキントッシュを検討したいと思います。
それではみなさま、よいコートライフを。
【紹介モデル】
・DUNOON ダヌーン
・DUNKELD ダンケルド
・CHRYSTON クリストン
【関連サイト】
SANYO iStore
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