お正月に読んだアートな4冊

あけましておめでとうございます!2017年7月からはじまったこのブログも3年目に突入しました。
昨年書いた記事を数えてみましたが、、25です。うーん少ない。書きたいことはもっといっぱいあったはずなんだが。。うーむ。今年は100記事目指して頑張ります!
さて。会社員の方はきっと明日(1/7)が仕事はじめだと思います。僕もそうなんです。また怒涛の日々がはじまる、、なんて絶望しているところです。はい。今年一発目の記事は読書ネタです。今年は比較的休みが長かったので、ゆっくり読書することができました。

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積ん読も読書である

僕はいいなと思ったらすぐに本を買うようにしています(もちろん厳選したうえで)。読む本がいくらたまっていたとしてもです。興味の対象は日々移り変わっていきますが、その時に本を買っておくと、その興味を一旦FIXさせれるというか、後で味わう楽しみが増えるというかなんていうか。

なので自ずと積ん読本が増えていくことになります。それをどんどん消化していくことが好きなんですが、いっぽうで下手したら1年、もしくは10年読まないこともあります。だけどこれも「読書」だと思うのです。もっと高尚な言い方をすれば「見えない知の蓄積」。というか「意識」でしょうか。

その本たちが本棚に並んでいるだけでそれが発する「知」や「エンターテインメント」が感覚として入ってきます。それも読書の快楽の一つじゃないでしょうか。って新年早々あつくぶち上げてしまいました(笑)。

アートな4冊

というわけで、このお正月も積ん読本からチョイスしました。今年はじまりはアートモードなんでしょうか。図らずもアートな4冊になってしまいました。4冊とも面白かったのでご紹介します。

「現代アートとは、何か」 小崎哲哉

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「現代アートとは、何か」。うーん何でしょう(笑)。現代アート、大好きです。わけのわからない抽象的なものが好きなんです。そこにある意味とかなんやらややこしいことは考えず、その作品が発するものを感じることが好きで、よく展示会などに足を運びます。この本は、抽象的な感性にまつわる本ではありません。現代アートに関わるステークホルダー、コレクター、キュレーター、ミュージアム、批評家、アーティスト、オーディエンスの関係性を論じ、最後に現代アートシーンの現状や流行、思想的なところを語っています。

普段オーディエンスの立場からアーティスト、はたまた作品にしか意識がいっていなかった(普通のみんなそうではないでしょうか)ので、この本は新鮮でした。そしてすごく勉強になった。大きな金が動く世界なので、政治的なことも絡んできます。

うーん。改めて現代アートって面白い。アートの価値を誰が決めてるのか?っていうテーマは今まで結構あったけど、それを含めてここまで包括的に語っている本って他にないんじゃないでしょうか。アートに興味がそんなにない方でも、政治や経済、ビジネスの観点としても一読の価値があります。ぜひぜひ。

「美術手帖 2018年12月号 Art meets Blockchain アート×ブロックチェーン 未来の価値をつくるのは誰か?」

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近年、インターネット以来の革命と言われている「ブロックチェーン」という概念、および実装形式をご存知でしょうか。

これを説明すると本当に長い時間がかかるので、詳細はググっていただけたらと思いますが、概念的なことでいえば「中央集権、もしくはツリー構造・ヒエラルキー型の社会を終焉させ、横に拡散する構造の社会を実現するインフラ」。難解な言い方になってしまいました、つまり中央、縦ではなく横。権力(中央、縦)が横行しない(しにくい)世界(横)を構造的に実現するイメージです。インターネットの発明により、情報をみんなが発信することができるようになり、情報の質は一旦考えないとしても、情報権力(かってな造語です)は衰退しました。

ブロックチェーンはビットコインをささえる技術なんですが、そのアルゴリズムが非常に陳腐な言い方をすると「多数決」型を採っていたり、暗号が常に介在するため、非常にセキュアなものになっています。チェーンは文字通り「鎖」ですが、例えばコインの例で言えば、そのコインが発行されてから誰の手に渡り、いまどうなっているのかという履歴を全部持っています。(=チェーンで繋がれています)。データを改ざんしようとすれば、その行為が正当であるかの審査が瞬時に多数決で行われるので事実上不正は不可能。これが全てではないし、僕の説明は間違っているかもしれませんが、こんなイメージであっていると思います。

これを「アート」に適用しようという試みが始まっている!という特集です。はー、、長くなってしまいました。この適用の方向性も様々で、一つはアートマーケットに対する適用。これは先ほどの例でいえば、ビットコインのインフラにあたります。作品の価値を守るため(色々あります。作品の真贋がわかりやすいかも)のインフラに適用するとか。あとはブロックチェーンの技術(分散型ネットワーク)を作品に適用(これはメディアアートですかね)するアーティストとか。そんなテーマです。僕は一昨年から仕事でブロックチェーンに関わっていたこともあり、このテーマはスリリングでかなりどんハマりしました。一見難しく感じるかもしれませんが、すごく面白いテーマですので、ぜひぜひ。美術手帖だけにかなりカジュアルに書いていますのでわかりやすいですよ。

「感性は感動しない 美術の見方、批評の作法」 椹木野衣


“美術の見方、批評の作法” というサブタイトルだけで鼻についてしまい、普段は絶対に買わない本ですが(笑)、好きな椹木さんのエッセイ集ということで買ってみました。本自体は200ページに満たないもので非常に読みやすいので、時間がある休日などであれば1日で読了できる内容です。

“美術の見方、批評の作法”って付けなきゃよかったのにと思うくらい、牧歌的で優しい内容です。椹木さんが丸くなってて(昔はとんがってた!)、僕も年をとったのかすごく共感する内容でした。中でも、「子供ができてから美術の見方が180度変わった」というのがよかった。大共感。アートを小難しく思っているかたにおすすめかもしれません。

「GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ

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お正月に各経済雑誌が出す「2019年どうなる?!」みたいな特集号、僕は毎年、週刊東洋経済を買っているのですが、ここでもGAFAというキーワードが一番に取り上げられてました。

四騎士とは、Google、Apple、Facebook、amazonのことです。世界はもうこの4つの企業なしには語れません。この本、アートなの?とつっこまれるかもしれませんが、この4企業のあり方、ビジネスモデルやサービスの生み出し方、働き方、社会に対するアプローチ、影響力などを総合するとアート、というよりアーティスティックという言葉が当てはまると思います。

巨大企業がゆえにいろんな現実的な問題や、さっきの話ではありませんが権力者=ビックブラザーに必然的になってしまうという現象も否めませんが、この4企業の動向を追うことは単純におもしろい。正直Facebookにはピンときてませんが、彼らがひとつのコミュニケーションのあり方を発明したのは確かですね。

普段、こういった時間が経てば陳腐化してしまう本は買わないのですが、この本は読んでおくべきかと思います。GAFA次点企業である、アリババ、テスラ、ウーバー、マイクロソフト、Airbnb、IBM他の話も出てきます。人口の減少、衰退の一途をたどる日本企業はどうすればいいんだろうか。という問題意識に対するヒントもこの本にはあります。ぜひぜひ。

まとめ

さていかがだったでしょうか。新年の「アートな本」特集。今年もいっぱいいい本に出会いたいものです。それではみなさま今年もどうぞよろしくお願いいたします。よい読書ライフを!

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芸術は物欲だ!

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